松浦堂ミーティングレポ

先日、4月29日に下北沢サーカスで『松浦堂ミーティング』が行なわれました。このイベントは、サウンドプロデューサー・松浦晃久さんが、『音楽を愛するすべての人たちのコミュニティースペースを作りたい』という想いから、プロ・アマ関係なく全ての音楽好きが集える場として2年前にスタート。今回がその第7回目の開催となりました。

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参加者にはリピーターの方も多く、松浦さんの作品のファンの方やミュージシャン方々で、会場はほぼ満席。イベント中、松浦さんが「この時期食べたい!」という食材を使ったスペシャルランチや下北沢サーカス内のランチメニュー、アルコールを含むドリンクなど飲食自由なカジュアルな空間でした。松浦さんとアンバサダーの小松さんとの掛け合いを中心に、あらゆる角度から音楽ができるまでをお話ししてくださいました。

 

前半は、「旬の楽曲とアレンジ分析」をテーマとしたトークライブ。実際に松浦さんが手掛けた楽曲を交えながら、音楽制作に関わったことのない聞き手にも作品作りをイメージしやすいよう、専門用語ではなく共通言語にまで噛み砕かれた、やさしい言葉たちが次々と飛び交いました。後半には、松浦さん自らが「楽曲アドバイスコーナー」を設け、自作音源を持ち込めば直々にアドバイスをいただけるという、音楽の作り手に寄り添った内容。もしかしたらプロを目指す人にとってはとんでもなく貴重なチャンスだったのかも・・・?

 

さて、30年以上に渡り今もなお最前線でシーンを作り続ける松浦さんは、どのようにして音楽を作っているのか?そもそも「良い音楽」とはなにか?今回、音楽作りにあたって松浦さんがシェアしていただいた内容は、音楽だけではなく、アートやものづくり全般に共通するノウハウのように感じました。

 

ミュージックリスナーの感情を駆り立て、一体感を生み出す仕掛けとは、一体何なのでしょうか。音楽の作り方のシェアしていただいた中から、興味深かった松浦語録(!)をピックアップしてまとめてみました。

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*『音楽は時間芸術だよ。毎回同じ感情にさせてくれて、毎回同じ情景を思わせてくれる音楽は、いい音楽だよね。』

音楽は時間を彩るもの。ヒット曲が必ずしも良い音楽ってわけじゃない。辛い時も悲しい時も、うれしい時も、いつ聴いても同じ時間に彩ってくれる、そんな音楽が良い音楽だとおっしゃっていました。確かに、お気に入りのプレイリストには、そういう音楽がいくつも入ってるかも。もしかしたらテクニックももちろん大事だけど、圧倒的な世界観やセンスがそういう音楽を作るのかもしれないですね。

 

*『悲しい気持ちにさせたいのなら、ただ、その気持ちを叫べばいいってものじゃない。』

「感情を音に変換する。」というよりは、もしかしたら「感情の波を音にする」ということの方が近いのかもしれないと思いました。苦しみの後の喜びも、哀しみの後のぬくもりも、絶望から湧き上がる感情も、ただ一辺倒な感情を叫ぶことよりも、それを引き立たせるストーリーやそれを浮き彫りにするような表現が重要なのだそう。『いっぱい押したいなら、いっぱい引くことだよ。』とも仰ってましたね。面白い。

 

*『1つの楽器で最後まで成り立たせてから、音を他の楽器で派生させていくように作っていく。』

音同士が、ぶつからず、打ち消し合わず、グルーブ感を維持して、その限られた時間を1つのアートとして彩っていく。形のないものを、メッセージを込めて空間に描いていくこと。音楽作りに携わったことのない人間からすると、これは全くもって見当のつかない作業のように感じますが、音楽にしても何にしても骨組みから作るということなんですね。

 

*『良いと思う音楽を100回聴くと、何かがわかるよ。』

100回・・・。きっとそれだけ繰り返し聴くと、なにかの法則だったり、仕掛けだったり、隠れたスパイス的なもの、なにかしら気付くことがきっとある。それは根気と集中力、確固たるエネルギーがないとできないですね。形がないだけに、盗むのも気付くのも、そう簡単なことじゃないみたい・・・。

 

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決して飾らない、親しみやすいトークと、くすぐられるような表情豊かな声に、会場はどんどん引き込まれていく。終盤に仰っていた『一番大切なのは、音楽を最後まで聴かせること、いかに途中下車させないか。』という姿勢は、音作りだけでなく、このイベントの中でさえ松浦さんの言葉の節々に感じられました。追求することで辿り着いた本質から紡ぎ出される、音楽が生まれるまでのストーリーを、もっともっと聴きたい。「松浦堂にまた来たい。」と、多くの方々に思わせるその理由は、作品はもちろん、松浦さんご自身の魅力にある気がします。

 

シーズンごとに開催される松浦堂は次回、8月26日。

 

次はどんな話が聞けるのか、私も楽しみです。

素敵な時間をありがとうございました。

kanon

 

 

 

追記:お二人とも、お誕生日おめでとうございました!

 

松浦堂公式HPはこちら

 

profile

松浦堂 店主    松浦晃久

作曲、アレンジ、サウンドプロデュース、シンセサイザーオペレーションを自らこなし、10代の頃より数多くのレコーディングセッション、ライヴに参加。徳永英明、秦基博、平井堅等の男性シンガーから、 絢香、JUJU、西野カナ、miwa 等の女性シンガーの作曲、編曲、プロ デュースまで幅広く手掛ける。 打ち込み系から生のバンドサウンド、繊細なストリングスアレンジ、 オーケストラアレンジと幅広い音楽の知識と世界を持つ。 非常に幅広い彼のサウンドは、数々の作品の中で強烈な存在感を放ち、 多方面から支持されている。 また、ヴォーカルディレクションは、アーティストからの支持も厚く、 コーラスアレンジにおいては、カヴァー作品にて、スティービー・ワンダー本人から大絶賛される経験を持つ。

 

アンバサダー 小松優一

(株)BREATHS代表

2005年 島村楽器「HOT LINE 2005 Japan Final」にて全国2,500組の中からグランプリ受賞。

2006年 徳間インディーズより限定シングル「星でも眺めよう」をリリースし1,000枚即日完売。要望が多かった為追加プレスするも即日完売。

2007年 徳間ジャパンコミュニケーションズよりメジャーデビューし、映画「天使のいた屋上」主題歌、映画「ポストマン」主題歌等新人としては異例の抜擢。

現在はソロ活動をスタート。アーティストトレーナーとして独立し、プロアマ問わず80名以上の生徒を抱える。ミュージカル劇団の音楽監督、地元千葉県船橋市が主催する巨大音楽祭《ふなばしミュージックストリート》の実行委員長を務めるなど後世の育成にも力を入れている。

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